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アド・コム社長 A. ダンネンバーグのインタビューが、「グローバルマネージャー」誌に掲載 (2001年11月)

チャレンジ精神と人間的魅力こそグローバルマネージャーの要件

ドイツで生まれ、米国、中国など47カ国を訪れ、現在日本で広告代理店、広報会社、国際イベント運営企業など7社を擁するマーケティングコミュニケーショングループの代表を務めるダンネンバーグ氏。全く文化の異なる日本で、しかも独力で成功を収めた氏の人生に新時代グローバルマネージャーの姿を探る

文化の異なる日本で代理店を設立
どの文化で仕事をしようとも、成功する人物は成功するのだということを、アンドレアス・ダンネンバーグ氏は証明している。47カ国を歴訪、世界の文化に精通し、さらに写真・デザインという専門分野での卓越した能力と実績をもつ同氏であれば、世界中どこでも起業をすることができただろう。ではなぜ日本でビジネスをはじめようと思ったか。それは「ここが自分にとって成功することが最も“難しい”場所だ」と思ったためだった。

最も難しい課題にあえて挑むーこの強烈なチャレンジ精神こそ、ダンネンバーグ氏率いるアド・コム グループを成功へと導いた最も大きな原動力だ。自称「ベルリン生まれのヨーロッパ人」であるダンネンバーグ氏は、現在41才。1987年、東京に広告代理店アド・メディアを設立。知人と2人きりでの出発だったが、現在傘下に7社をかかえるに至った同グループは、日本広告業界において確固たる地位を築いている。

徹底的に日本語を習得
ダンネンバーグ氏が日本にやってきたのは25歳の時で、日本語は全くできなかった。しかし日本企業に勤めはじめて数ヶ月もたたないうちに、日本で仕事をするにはまず日本語をしっかりとマスターしなければならないことに気がつく。

欧米から来日し、本気で日本語に取り組むビジネスパーソンの数は、今でもそれほど多くはない。独特の体系をもつ日本語はインド・ヨーロッパ語族に属する人々には習得困難なうえ、英語が話せれば一応はビジネスが成り立ってしまうからだ。そのため、長年日本で仕事をしていても日本語がほとんど理解できない人も、決して珍しくはない。

しかしダンネンバーグ氏はそうした“普通の”人々とは一味違っていた。「欧米と全く異なる文化をもちながら、これほどまでに高度な近代経済社会を構築しえたのは、日本だけです。ここでもし本気で仕事をするのであれば、こうした高度な文化を支える日本語をマスターする意外に道はない。そのことに、直感的に気づいたのです。」

それから日本語の猛特訓が始まった。「ある言語をマスターしようと思えば、週に1、2回勉強するという程度ではとても不可能です。私の場合は数年間にわたり毎日、会社に行く前に個人レッスンを受け、そのほかにもずいぶんと勉強しました。まあ、実際たいへんでした」と、今では全く流暢になった日本語で語る。

人間的魅力こそ重要
このように書くと、まるでダンネンバーグ氏が仕事のためにはすべてを投げ出すタイプの人間のように思われるかもしれない。しかし実際のところは、全くその逆だ。

「考えてみてください。仕事のことしか話せないような人間と、たとえビジネスの場であっても、つきあう気になれますか? 仕事以外のさまざまなことに興味をもち、プライベートな時間にも豊かな人生を送り、それを他者と分かち合えてこそ、ひとりの人間としての奥行きと幅がでてくるのです。そしてこの人間的魅力が、グローバルマネージャーであることの必要条件です」いわゆる根っからの仕事人間であることは、グローバルマネージャーとなるための大きな障害だとダンネンバーグ氏は考えているのだ。

最近では、豊かなプライベートライフをもつ魅力的な日本人ビジネスマンも増えてきていると、ダンネンバーグ氏。「ただし、自分のもつ魅力をもっと積極的にアピールしなければなりません。相手に伝わらなければ、それはないのと同じですから」

こうした人間としての奥行きと幅の広さを求める氏の姿勢は、多文化環境の重視という切り口にも通じる。モノカルチャー基準はマルチカルチャー基準には勝てないのだと、氏は言う。「例えば組織において人材を募集するにしても、日本人だけから選ぶよりは世界中から選ぶほうがより優秀な人材に出会うことができるのは当然です。日本という単一文化の枠にはめてしまうと、行動や認識すべてが限定されてしまうのです。世界をひとつの“ブレインプール”ととらえる視点が必要です」

また、本当に優秀な人間同士であれば、例え言語や文化が違っても心は通じ合えるものだという。「例えばフランス料理と中国料理と日本料理の一流のシェフ同士が集まれば、お互いに心はおのずと通じ合うものです。本当のプロフェショナルは、世界のどこであっても結局は同じものです」裏返して言えば、どんな分野であれ、グローバルに活躍するには一流のプロフェショナルでなければならないということでもある。

最後に、最近の若い日本人に対してダンネンバーグ氏は次のような言葉を送ってくれた。「昔と違って今の日本社会では、もはや大学から直接に大企業に就職することだけが社会での成功の道ではありません。個性に合わせてさまざまな生き方を選ぶことができ、本当に優秀な人ならば、さまざまなルートを通じて成功を収めることができるのです。舞台は大きく広がっているのです。」

Andreas Dannenberg (アンドレアス・ダンネンバーグ)
アド・コム・グループ代表取締役社長

1960年、ドイツ生まれ。ドイツ「シュテルン」誌や米国「ニューズウィーク」誌でグローバルにカメラマンとし活躍する一方、BMWの広告写真を手がけた縁で株式会社電通に入社、国際企業へのコーディネーションやプレゼンテーションに携わる。

87年、東京で広告代理店・株式会社アド・メディアを設立、クラブメッド、ジバンシー、資生堂などのキャンペーンを担当し、現在7社を擁するマーケティングコミュニケーショングループ、アド・コム グループの代表取締役社長。ロンドン、ハンブルグ、上海、ニューヨークにも関連会社を設立している。

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Global Manager, The Institute for International Business Communication, 11/10/2001 第7号

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